「きもの」や「きものにまつわる歴史・文化」についての知識習得を通して、「きもの文化」への理解を深め、さらに親しんでもらうことを目的に「きもの文化検定」を実施しています。
今年も昨年に引き続き、去る平成23年2月26日(土)京都七条にあるハイアット・リージェンシー京都にて、1級合格者39名を含む230名が参加し、「合格者表彰式並びに記念パーティー」を開催いたしました。
当日は、きもの文化検定審議会座長の千玄室・裏千家大宗匠ほか、デザイナーのコシノジュンコさんらの審議委員、また、華道家元池坊の池坊美佳・青年部代表や「きもの名誉学士」の門川大作京都市長にも会場に駆けつけていただきました。茶道裏千家による呈茶席やコシノさんによる「パリ バガデルきもの展」についてのミニ講演、服飾評論家の市田ひろみさんのトークショーもあって、会場は、和やかな雰囲気につつまれ盛会の内に終了致しました。
「合格者表彰式並びに記念パーティー」の前日の2月25日(金)には、京都西陣界隈を中心に、西陣織に携わる工房4箇所の見学会を約100名の参加により開催しました。
老舗問屋の製造部門、㈱細尾商店では、分業体制で製作される西陣織の工程についての説明を受け、「紋意匠図」という設計図を、コンピューターを用いてつくる工程や試織に用いる「力織機(りきしょっき)」の工程を見学しました。老舗の織屋の㈱西陣まいづるでは、素材へのこだわりから、養蚕農家と契約して独自の糸を開発しているお話などを伺い、自社工房で製作されている特殊な手織物の工程を見学しました。色々な織屋さんから注文を受けて、指定の色に糸を染める糸染岡本染工では、繊細な技と感覚で糸を染めていく職人技、また、生糸と、精練された練り糸の違いなどを説明いただきました。㈱龍村光峯では、徹底的にこだわった伝統の「手織り」の技を見せて頂き、作品の文様を通してその意味をご紹介頂き、先人の智慧を学びました。
参加者からは、実際に西陣織が製作されている現場を肌で感じることができ、きものへの理解を更に深めて頂きました。
京都への造詣を深めていただくことを目的に普段あまり訪れる機会のない名所・旧跡を“京都・観光文化検定(京都検定)”1級合格者のガイドにより巡りました。
当日は、淀殿が父の浅井長政のため建立し、大河ドラマのヒロイン江が再建した養源院を皮切りに、真言宗智山派総本山の智積院を経て、方広寺では、豊臣家滅亡を招いたとされる梵鐘を観覧しました。また、六道珍皇寺では、夜ごと地獄に降り、閻魔大王のもとで裁判の補佐をしていたという小野篁が冥界へ行くのに通ったと伝わる普段非公開の井戸や本尊薬師如来を見せていただき、最後は、鹿ヶ谷の安楽寺にて、お茶とお菓子をいただきました。養源院、六道珍皇寺、安楽寺では和尚様よりご法話をいただき、とても楽しい見学会となりました。